パウダークリーニングの効果(上:術前、下:術後)

歯のクリーニングには大きく分けて「保険適用のクリーニング」と「自費診療のパウダークリーニング」があります。本ブログ記事では、それぞれの違いと特徴を徹底解説します。
◆ 保険適用のクリーニングとは?
保険適用のクリーニングは、主に歯石除去を目的とした処置です。以下のような方法で行われます。
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超音波スケーラーを使い、振動で歯石を砕いて除去する
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最後に、研磨剤を用いた回転ブラシやラバーカップで歯面を磨く
しかし、この方法にはいくつかの課題があります。
<保険クリーニングの課題>
☑ 歯の表面にミクロの傷がつく
超音波スケーラーや研磨ブラシを使用することで、歯の表面に肉眼では見えない微細な傷がつく可能性があります。これらの傷は汚れの再付着を助長し、着色やプラークの原因になります。
☑ 着色汚れの除去には限界がある
保険のクリーニングは歯石除去が目的のため、タバコのヤニやコーヒー・紅茶などによる着色汚れは完全には除去できません。着色の除去を無理に行うと、歯の表面にさらに傷がつき、汚れが付きやすくなる場合もあります。
☑ 音や痛みによる不快感
「キーン」という超音波スケーラーの音や歯茎に当たる刺激が苦手な方には、処置そのものがストレスになることもあります。
☑ 詰め物やインプラントに悪影響を与える可能性
研磨剤による処置は、セラミックやレジン、インプラントなどの人工歯材料に微細な傷をつける可能性があり、長期的に光沢や耐久性に影響を及ぼすリスクがあります。
☑ 審美目的では利用できない
保険のクリーニングは「歯周病の治療・重症化予防」を目的としているため、見た目の改善(着色除去など)を希望しても、法制度上適用できません。また、パウダークリーニングは保険適用外であり、必要に応じて自費診療となります。
◆ パウダークリーニングとは?
パウダークリーニングは、従来の方法とは全く異なるアプローチで歯のメンテナンスを行う、自費診療のクリーニングです。
スイスで開発されたこの技術は、微細なパウダーを水と一緒に高圧で噴射し、歯に触れることなく歯垢やバイオフィルムを除去します。当院ではホワイトエッセンスのマニュアルに基づき、安全に提供しています。
(施術動画はInstagramでもご覧いただけます)⇒ https://www.instagram.com/p/C_1atcmqSLv/
<パウダークリーニングの特徴>
☑ 歯や詰め物に傷をつけない
ノズルの先端を非接触で洗浄するため、歯や人工歯に微細な傷をつけません。歯の表面がなめらかに保たれるため、汚れや着色が再付着しにくくなります。
☑ 痛みや不快感がほとんどない
従来のスケーラーと異なり、音や振動が少なく、歯茎にもやさしい処置が可能です。特に歯肉が敏感な方や浅い歯周ポケットの清掃に適しています。
☑ 着色汚れに効果的
コーヒー、紅茶、赤ワイン、タバコによる着色汚れにも高い効果を発揮します。歯面がツルツルに仕上がり、清潔感が長持ちします。
☑ 被せ物・詰め物にもやさしい
セラミック、レジン、金属の詰め物や被せ物にも対応可能で、素材を傷つけずに洗浄できます。補綴物の美しさと耐久性を保つうえでも有効です。
☑ 自費診療として誰でも受けられる
保険証がない方でも、自費でパウダークリーニングを受けることができます。歯周病治療目的ではなく、健康者で「歯を美しく保ちたい」方にも適した施術です。
◆ パウダークリーニングが向いている方
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歯にやさしいクリーニングを希望する方
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タバコや飲食物による着色が気になる方
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歯の表面を傷つけず、ツルツルの仕上がりを望む方
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クリーニング時の痛みが苦手な方
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セラミックや金属などの補綴物がある方
◆ メンテナンスの目安
パウダークリーニングの効果は通常3か月程度持続しますが、生活習慣や歯並びによっては2か月に1度の施術が推奨される場合もあります。
また、ホームケア製品の使い方についても歯科衛生士が丁寧にアドバイスいたします。
◆ まとめ
項目 | 保険クリーニング | パウダークリーニング |
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主な目的 | 歯石除去・歯周病予防 | バイオフィルム・着色除去 |
着色除去 | 不十分 | 高い効果 |
痛み・不快感 | ある場合も | 少ない |
補綴物への影響 | 傷がつく可能性あり | 傷つけない |
費用 | 保険適用(安価) | 自費診療(ホワイトエッセンス価格8,800円税込) |
ご自身の目的や口腔環境に応じて、最適なクリーニング方法をお選びいただくことをおすすめします。どちらが適しているか分からない場合は、ぜひ当院のスタッフにご相談ください。