タイムパフォーマンスは患者様のため

新人歯科衛生士の成長を支える、日報を通じた学び
ある新人歯科衛生士との日報では、「出来なかったこと」と「対策」が書かれていました。 その際の院長コメントを紹介します:
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出来なかったこと:バキュームの吸引がしっかりできなかった
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対策:バキュームのチップの向きに気を付ける
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院長コメント(以下)
バキュームを一人で持つ場合、「超音波スケーラーによる簡単なポケット洗浄」は立位の方が短時間で実施しやすいかもしれません。 そして、「集中力」と「工夫」こそが、タイパによる成果を生み出す鍵です。
朝礼でお伝えしたタイパの思想では、「時間をかける=努力」ではなく、「この行動に費やす時間は何を達成するためのものか?」を意識することが重要です。
成果は次の方程式で表せます:
成果=時間 × 集中力 × 工夫
例えば、6分で全顎6ブロックの洗浄を行う場合、ポケット内のバイオフィルムを除去すること、それこそが患者様にとっての成果となります。 つまり、「忙しくて時間がない!」のではなく、限られた作業時間の中で集中し、工夫すれば、より多くの成果を出せるという考え方です。
逆に、工夫もなくダラダラと作業時間を3倍に増やしても、成果が3倍になるわけではありません。集中力が低下するため、むしろ成果が減る可能性すらあります。 集中力が落ちれば、知覚過敏の部位にスケーラーチップが何度も触れてしまい、患者様からのクレームにつながる恐れがあります。また、バキュームのチップの向きによっては吸引しきれない水が誤飲を引き起こし、咳き込むことで余計な時間がかかってしまうことも考えられます。
「対策」に記載された事柄こそ、今後のスケーリング技術の向上において不可欠な工夫です。 さらに、患者さんが苦しくないように注意を払うことも、重要な集中力の使い方となります。
今日も学びを積み重ねながら、より良い医療を提供できるよう努力を続けていきましょう!本日もお疲れ様でした。